職場の嫌がらせ対策|自分を守るために必要なたった1つの方法

転職までの悩み

厚生労働省が労働者と事業主とのトラブル解決を目的として、都道府県労働局に設置した総合労働相談コーナーには年間70,000件以上の相談が寄せられており、年々職場のいじめ・嫌がらせに関する相談は増加しています。(出典:「パワハラ基本情報」データで見るパワハラ|厚生労働省

このように職場のいじめ・嫌がらせは日常的に起こります。もし、職場でいじめ・嫌がらせを受けた場合の解決方法として、上司、会社の労働組合の窓口などに相談し労働環境の改善を行うことが一般的です。
しかし、いじめられていると感じている側の意見を一方的に相談するだけでは労働環境が改善されず行動したことによりさらに関係が悪化して修復できなくなる場合があります。(出典:職場でいじめの被害にあったら「いじめの原因を分析する」|厚生労働省徳島労働局

職場のいじめ・嫌がらせを解決するためには、とにかく証拠を集める必要があります。集めるべき証拠は、第三者視点でも分かるいじめ・嫌がらせに関する客観的なものになります。この記事では、職場のいじめ・嫌がらせ対策に有効な証拠と証拠収集後にすべき行動を紹介します。

職場のいじめ・嫌がらせとはどんなもの?

どんな行為がいじめ・嫌がらせに分類されるかは、厚生労働省が「職場のパワーハラスメントの6類型」という定義を裁判例や個別労働関係紛争処理事項をもとに整理しています。(出典:職場のパワーハラスメントについて
この定義はパワーハラスメントに限定されていますが、パワーハラスメントのように職場内の優位性を背景にして行われていないだけで、職場で起こるいじめ・嫌がらせの分類としても利用できます。

  1. 身体的な攻撃(暴行・障害)
  2. 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
  3. 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
  4. 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
  5. 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
  6. 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

職場で起こりやすいいじめ・嫌がらせ行為を上記の定義に分類すると、陰口を言われたり無視されることは「人間関係からの切り離し」、飲み会への強要や恋人の有無などプライベートに過度に踏み込む質問などは「個の侵害」にあたります。

職場のいじめ・嫌がらせ対策に第三者視点でわかりやすい証拠が必要な理由

職場のいじめ・嫌がらせの対策としてわかりやすい証拠が必要な理由は、職場のいじめ・嫌がらせを解決するためには、自分1人の力では完結できず、自分以外の他人にも協力を仰ぐ必要があるからです。

職場のいじめ・嫌がらせなど、被害者の心的負担が大きい問題においては加害者と被害者の捉え方にも大きな違いが生じやすくなります。この認識の違いの中、自分の主張が事実から言っているものであると証明するために第三者視点でのわかりやすい証拠が必要になるのです。

ここでいじめ・嫌がらせを受けている方が認識しておいて頂きたいのは、いじめ・嫌がらせの改善に関わる第三者の立場はあくまで中立であり裁判官のような立ち位置にあるということです。例えば職場いじめ・嫌がらせの対策を行う会社の立場は、個人でなく会社全体の利益を考えるという前提のもと職場環境を整える義務を持っているため、どちらか一方の意見のみを聞くのではなく客観的な立場から問題点を洗い出し改善を行うという行動を取ろうとします。(出典:労働安全衛生法

このように、職場のいじめ・嫌がらせを被害者が求める方法で解決するためには、立場の違う複数の人間を説得し、動かすことが前提としてあり、中立の相手に協力してもらうことできるよう証拠を集める必要があります。

職場のいじめ・嫌がらせ対策に有効な第三者視点でわかりやすい証拠とは?

職場いじめ・嫌がらせの対策として集めるべき証拠とは、可能な限り客観的に事実確認ができるものになります。

必要な証拠の量は、いじめ・嫌がらせを受けている方が求める対策がどのようなものかにより変わってくるため、具体的な数は記載できないです。しかし、証拠の数が少ないと対策を取ってもらうことは難しいのは確実であるため、まずは5~10個程度証拠を集めた後、総合労働相談コーナーなど第三者機関の専門家に自分が求める解決を行うために有効な数であるかを相談してみると確実な数を把握できます。

職場いじめ・嫌がらせの対策として集めるべき証拠として具体的なものとしては、音声・動画データ、加害者からのメール、自分の日記が利用できるので、有効性の高いものから順に紹介していきます。

音声データ、動画データ -最も有効な証拠-

職場のいじめ・嫌がらせ対策として最も有効な証拠は、ICレコーダーやスマホなどで撮影・録音した音声データや動画データになります。いじめ・嫌がらせの最中に動画を撮影することは難しいことが多いため、音声データを残しておくことが一般的です。

また、基本的にいじめ・嫌がらせの証拠として音声データや動画データを記録することは違法ではありません。しかし、記録したデータを公共の場(ネット上)に流すことや記録を取るために自分の私物以外に撮影機器を仕込むことは違法になる可能性があるため注意が必要です。

音声データや動画データの取得は、自分の衣服やカバンで撮影機器を利用し、いじめ・嫌がらせの対策のみに利用することと証拠を開示するのは専門家だけにすることを徹底してください。

加害者から送られてきたメールや手紙 -直接的な表現があれば有効-

いじめ・嫌がらせの対策の証拠として、加害者から送られてきたメールや手紙についてもいじめ・嫌がらせと判断できる具体的な文言が記載されているものであれば有効です。

いじめ・嫌がらせの証拠として残すメールや手紙としては、精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)と自分が感じている表現があるもので、差出人と日時・記載内容が具体的に分かる形で集めておくようにしてください。

事実を日付と共に書いた日記 -集めやすいが客観性を出すのが難しい-

証拠能力は、音声データや動画データ、加害者からのメールと比較すると低いですが自分でつけた日記もいじめ・嫌がらせの証拠として利用できることがあります。証拠と認められるためには、最低限日時と加害者の名前、受けたいじめ・嫌がらせの内容を具体的に記載し続ける必要があります。

しかし、上記事項を満たした日記でかつどんなにいじめを受けた側が客観的に記載しているつもりでも第三者からみると文章は主観が入った客観性が低い証拠とみられてしまう可能性があるため、あくまで音声データや動画データなどの補助的証拠という位置づけで記録するようにしてください。

証拠が集まったら行うべき、いじめ・嫌がらせを解決するための行動

まず、客観的な証拠を集めたら厚生労働省が設置している総合労働相談コーナーに問い合わせを行い、客観的な証拠としての価値があるかを判断してもらってください。

証拠能力が十分にあるものがそろっているという知見が得られた時点で職場のいじめ・嫌がらせをなくすための具体的な行動に移りましょう。いじめ・嫌がらせを受けている方が職場に対してどのような対応を望むかという視点から3ついじめ・嫌がらせを解決する行動を紹介します。

今の職場で働き続けたい場合

上司(上司からいじめ・嫌がらせを受けている場合はさらに上の上司)または会社の労働組合に証拠を提出し、職場環境の改善を要求してください。単に職場の改善を要求するよりも、確固たる証拠がある分スムーズに事が運び、相談後のいじめ・嫌がらせに対する抑止力になります。

この要求を行う場合、自分の主張を具体的に相手に停止するようにして下さい。例えば、いじめ・嫌がらせの相手と関わらずに今の仕事を続けたい、全く別の部署に移りたいなどです。

あなたの要求がわからずにいじめ・嫌がらせの証拠のみを提出されても、上司や労働組合はどのように動けばよいかわからなくなるため必ず自分の求める対応を具体的に提示するようにしてください。どのような要求をすべきかわからない場合は、厚生労働省が設置している総合労働相談コーナーに問い合わせを行い相談して決めるようにしましょう。

職場にこだわりがない場合

職場でいじめ・嫌がらせにあっており、職場へのこだわりがない場合は転職が1つの選択肢になります。仕事をしながら転職する場合、転職先の候補を探すために転職サイトを利用し、本気で行動を移す場合に転職エージェントを利用すると仕事で時間がない中、効率的に転職活動を進めることができます。職場のいじめ・嫌がらせ対策として転職する場合、集めた証拠は無理に会社に引き留められた際や社内で転職の理由の説明を求められた時にスムーズに退職するために利用するのです。

また、うつ病など精神的なストレスにより行動する元気がない場合は、自分で考えることや行動する余裕もないほど追い詰められてしまう状態になることもあります。その場合は、まず医師から診断書をもらい休職手続きを行い、自分のために使う時間を確保しましょう。その後、少しずつ元気になってきたら休職期間中に転職活動を行い、空白期間をあけずに転職するとキャリアへの負担が少なくなります。

転職先の候補を探すなら取扱求人数が最も多いリクナビネクストがおすすめです。転職エージェントについては、あなたの性格に合わせて相性の良いおすすめの転職エージェントを記載したページがあるので参考にしてみてください。(参考:【性格で選ぶ】転職エージェントおすすめランキング

職場にこだわりがなく、いじめ・嫌がらせを行った加害者に何か要求したい場合

職場でいじめ・嫌がらせにあっており、職場へのこだわりがなく加害者に何か要求したい場合は法廷闘争も視野にいれましょう。いじめ・嫌がらせ対策として集めた証拠を弁護士に提出し具体的にどのような訴えが出来るか相談していく流れになります。

弁護士に直接相談する以外にも、厚生労働省の個別労働紛争解決制度を利用することも出来ます。紛争当事者の間に弁護士、大学教授、社会保険労務士などの労働問題の専門家のあっせんを受けることが出来るので利用してみてください。(出典:個別労働紛争解決制度

まとめ

職場のいじめ・嫌がらせ対策としては、第三者視点でも分かるいじめ・嫌がらせに関する客観的な証拠を集めることが最も大切です。具体的な証拠としては、音声データや動画データ、加害者からのメールや手紙などを集めることになります。

客観的な証拠は、あたなの希望を通し、いじめ・嫌がらせを解決する手助けになるだけでなく、あなたに見方する人も増やし、手助けする人も加害者から守れる強力な武器です。

ただ、いじめ・嫌がらせに耐えるだけでなく、自分を守る武器になり、効果が出やすい客観的な証拠集めを積極的に行い、自分の身を守る行動をしていきましょう。